73年TamaShop発足当時のツーリングの一コマです
 前回の更新が去年の11月でしたので、実に半年ぶりです。皆様大変お待たせ致しました。
 おかげさまで、TamaShopではその後も順調にW650の仲間が増えて、ついには50人以上ものWユーザーを迎える事になりました。この台数は、過去30年間で、驚くことに、マッハ、W1SA、Z2、Z400FX、ゼファーの次に多い台数なのです。
その魅力、そしてセールストークもちょっと交えて今回はお話しましょう。
 そうそう、その前に我が愛車にもちょっと手を入れましたのでそちらのご報告から始めましょう。

 
 さて、下の写真が今日現在の、我が愛車です。第一回でご紹介したときからさらに、私の我がままを取り入れて、変身しています。
  <よりシックにカスタムペイントはいかが?>

 まずは、すぐにわかるタンクのカスタムペイントです。下の写真のように、ダークグリーンとアイボリーのメタリックの2トーンカラーです。
 まるで純正のような仕上がりですが、もちろん一品モノで塗っていただいたものです。
 濃紺とか他の色も色々考えてみましたが、もともと、英国車風なW650ですので、きっと似合うものと思い、やってみたところが非常に落ち着いた感じになって、とても気に入っています。
 店頭に置いておきますと、これが純正の色と思われる方も多くいらっしゃるくらい、違和感はありません。またひとつ自慢が増えました。
 あと望むべくは、タンクのエンブレムでしょうか?これも色々なところにお願いしていますので、いずれ何とかなるかな・・・

自慢のガソリンタンク
     <幸せの黄色いスプリング現る>

 下の写真が、我が愛車のさらなる自慢、オーリンズのフルアジャスタブルサスペンションです。
 当初、取り付ける予定では無かったのですが、皆からつけてみたら、と言われていましたが、なかなか踏み切れないでいますと、(掲示板でもご紹介しましたが)TamaShopではおなじみの通称19インチのM本さんが、何やらビート管やら、ゼファー750用のオーリンズリヤサスを取付けたい、との病気が発症したとのこと。早速、サスを入荷したところ、これは好機とばかりに、我が愛車で試してみよう、ということで早速組み込んで走ってみたところ、目から鱗、瓢箪からこま、その変化は想像以上でした。あまりに良かったもので、そのまま付けたままで奪い取ってしまい、その後もテストしてゆくことになりました。(その後、M本さんのバイクにもオーリンズサスが入りまして、本日のM本さんのご報告によると、高速道路での安定性やレーンチェンジも想像以上だったとのコト。これは早速テストに行かなくては・・・)
 乗った印象は、とにかくこりゃ贅沢だ、ということ。魔法の絨毯というのはちょっと大げさかもしれませんが、柔らかいけど腰があって、出来のいい讃岐うどんのようなものです(前回はそばでしたね)。たまらない歯ごたえです。
 また、ゼファー750のものをやや強引に組み込みましたので、車高が上がってしまいましたがこれが、逆にこれがストロークアップになって乗り心地が良くなっています。
 後ろのサスペンションを換えただけですが、全体的に高級車になったような感じで、どちらかというとあまり豪華ではないWにはどうかな?という気分もありますが、一度体験してしまうと病みつきになってしまいます。
 あと、黄色いスプリングは目立ってしまいますが、逆に良いものを付けているという主張がありますし、幸せを運ぶ色ということでバッチリです。

もう一つの自慢、幸せの黄色いスプリング


一枚一枚が絵になるバイクそれがW650です
(クリックで大きくなります)
  <そして50人以上のWオーナーが誕生した>

 さて愛車の近況報告が終わったところで、TamaShopご自慢のW650営業トークをご披露しましょう。今、W650に興味があるけどまだ悩んでいるあなた、心地よく背中を押して差し上げましょう。
 冒頭で述べました通り、TamaShopでは発売からの3年間で50台以上ものW650を販売して参りました。

 これは、W650の持つコンセプトに時代のニーズがマッチしたこと、エンジンを中心とした美しいスタイル、高燃費をはじめとする経済性などなど、列挙できないほど多くの理由が思い浮かびますが、まずは何より売る側である私が最初に心を奪われたからであることは間違いありません。とにかく売って気持ちよい、自分が乗って気持ちよい、そしてWの仲間と一緒に走って気持ちよい、売れば売るほど満足感を得られる、Wとは私にとってそんなバイクなのです。
 かなり以前から、新しいWが登場するという噂がありましたが、なかなか現れず、長年待ってやっと、99年にデビューした時には、してやったりと思い、何より先に一号車をオーダーしました。そして、見た目だけではなく、本当の魅力に取り憑かれたのです。そして今日までに、同調していただけた50人以上のオーナーが誕生したのです。
     <素材、そしてエコロジー>

 それではWの魅力のひとつひとつに触れていきましょう。まずは素材。Wは鉄に見えるところは鉄で、アルミに見えるところはアルミで出来ています。今や、当たり前のようで、このようなバイクは数えるほどしかありません。

サイドカバーや、前後フェンダーを手で触れた時の、本来金属の持つひんやり感。そしてサイドカバーはやがて乗るうちに足で擦られ、塗装は剥げますが、その下からはきちんと金属が現われる、このような安心感があります。かつてバイクは乗り込めば乗り込むほどに外観にもそのオーナーの味が出てきたものですが、Wにはこのような要素があります。
エンジンカバー類もメッキではなく、手間のかかるバフがけで鈍い光を放っています。これも磨くという、オーナーの楽しみを決してスポイルさせない、重要な演出です。晴れた日の午後はバイクを磨く、素晴らしくありませんか?

 そして忘れてはいけないのは、このような素材は再生が利くということ。地球環境云々等とは申しませんが、あなたの乗るバイクがやがて、また別のバイクとして甦る。こう思うと、バイクにも輪廻転生がある、などという夢も描く事が出来ます。

 そう、地球環境といえば、高燃費。平均25km/L以上も走ります。これまた地球環境保全の高邁なポリシーを持ち出すまでもなく、まずあなたのお財布にやさしい。これだけでもWにする価値があります。

Wは決して高価なバイクではありませんが、このように決して安物ではありません。リーズナブルだけども本物です。

エンジンの造形は見飽きることはない・・・
このヘッドライトカバーにあなたは何を映しますか?
     <心臓の鼓動、そして360度クランク>

 W650のエンジンには鼓動があります。技術的なことをお話すると、W650のエンジンには360度位相クランクというものが採用されています。難しいことを省きますと、要するにこのエンジンではふたつのピストンが同時に上下し、一発一発同間隔で爆発します。さらに、クランクが非常に重く造られており、この一発一発の爆発を、クランクが心地良い鼓動に変えます。
 通常、ツインエンジンでは、振動軽減の為、ふたつのピストンが交互に上下しますが、この場合はエンジンの爆発が不等間隔になってしまい、性能は得られても、心地よさがスポイルされてしまいます。あえてこのような設定にしたWは非常に希少な存在です。この等間隔の力強いエンジンの鼓動は、まるで心臓のようです。
 Wは特に低回転が美味しい。2-3,000回転から、力強いトルクと鼓動を伴った加速感。決して強烈ではなくても、ライダーを脅すことなく、思いのほか速く走ることが出来ます。
 もちろん最新のバイク。レッドゾーンの8,000回転付近まで淀みなく回ります。でもあまりに速い鼓動はWには似合いません。適度な速度で流すように、そして周りの景色も楽しむ。それがWです。
    <走るではなくてバイクで歩く>

 W650は決して、速く走れるバイクではありません。無理をすればしなるフレーム、130km/hも出すとやや心もとない直進安定性。でも、いつでも手の内にバイクある、そんな安心感が常にあります。絶対に裏切らない相棒です。でも、侮ってはいけません。今や珍しい前19インチ、後18インチの大径ホイール。それらは軽いハンドリングを生み出し、また良い意味でのいい加減さ、を有しています。特に中低速の峠道は正にW650のフィールドです。
 しかし、飛ばすのも良いのですが、ゆっくり走ってもエンジンの鼓動を楽しめる、そんな贅沢があります。

 あえて言えば、走るのではなくて、バイクで歩く。エンジンの鼓動に合わせて、トコトコと。

 そして、W650には別の効能があります。それは競争心が無くなること。同じWで走れば、同じようにトコトコ走れる。そんなことが可能です。競争心がなくなれば、同じW乗りを見つけるとうれしくなる。Wは多くのことに”効き”ます。
ハート型のエンジンカバー
なぜか微笑ましくなりませんか?
このエンジンの鼓動が次のバイクの鼓動になる
    <再びWが時代をリードする>

 多くのひとが共感を得られる、W650はそんなバイクです。TamaShopでのWオーナーの方は20歳から70歳以上の方、男性も女性も、実に広い層の方に支持されています。他にこんなバイクがあるでしょうか?バイクでなくても、これだけの広い層に支持されるモノはなかなか思い浮かびません。かつてライダーであった世代には懐かしさを、今の世代には新鮮さを与えるのでしょう。
 さて、これだけ年齢層が広いということは、ちょっと考えてください。親子でWに乗る、さらには三代でWに乗るということも出来るということです。
 かつてのWは、英国車に追いつけ、追い越せで造られた、当時としては性能的に最先端のバイクでした。時代は変わり、再び登場したWは、その表現のかたちは違えども、その持つ役割は、感性を究めるという再び最先端を行くバイクだと思います。
 再びWが時代をリードします。
どうですか、あなたもW乗りの仲間になってみたくなったのではないでしょうか?
もちろんTamaShopではこのトークの続きを楽しむことも、そして肝心のW650も試す事が出来ます。

また、オーナーになった方には、この秋に再びワンメークツーリングを予定しています。ご期待ください。

By 金字塔
第三回 了

TamaShopで今、”ほっと”なバイクを紹介します。